ReineDeer’s diary

Hermèsは馬具屋さんから、LVMHは旅行鞄屋さんから、ReineDeerはスキー屋さんから。伝統工芸×スキーブランド。

【京友禅スキーウェア物語】4 ~進化するクラウドファンディング~

スキーウェア!!

 

今思うのは、「なんて大変なものに手をつけちゃったんでしょう。。」です。笑

思えば、スキーがちょっとだけ上手になってとりあえず山頂までは行けるようになった学生の頃、私の身長(約170cm)では、カワイイウェアのサイズは限界。

お店の人には、「もう後は、ユニセックスサイズのしかないですねー」と言われ、見れば、全然かわいくないウェアが。

メンズと同じラインなので、だぼっとしてるし。色もかわいくない。日常的にパンツすらはかなかった私としては、全然そんなの着たくない。

でも、機能としても限界でした。山頂は、やっぱり寒いのです。かわいいだけ初心者向けっぽいウェアでは寒すぎる!

「機能性もあって、かわいいスキーウェア」は存在しませんでした。

そして、ヨーロッパに住み始め、スキーに行くようになったら!!!!!!

なんと、日本とは全然違って、スキーウェアを買うのはパリやロンドンの都市部ではなく(もちろん神田みたいなスキー街もありません)、スキー場に着いてから!

スキー場におしゃれなブティックにおしゃれなスキーウェアがたくさん!!

しかも、機能もついてて、ファーもついてて、キラキラもついてて、女性らしいラインで、というのがたっくさ~んあるではありませんか!

これ!これ!これ!

これこそが探し求めていたものです。

基本的にヨーロッパの山の方が日本より標高が高いので、寒いです。

ひと冬スキー場、というか「スキーリゾート地」で過ごす方が多いので、なんだか全般的にスキー上手な人も多いです。

そういう人たちが、標高3000m、4000mのところを滑っても、機能性に問題なし。そしてそれらは、日本では高級なヨーロピアンブランドのスキーウェアとして輸入されてました。

 

でも、ふと見ると、東レ」「帝人」「YKK

 

高級な欧米スキーウェアブランドは、なんとほとんど日本素材でできてました。

機能性生地=化学繊維、というのは日本が世界でもトップの技術を誇っているのです。

スキーウエアに必要な機能って、アパレル製品の中でもトップクラスに難しい。

伸縮性耐久性はもちろんのこと、透湿性防水性撥水性、など生地につけられるだけのすべての機能をそなえてないといけないぐらいです。

私がパリでオートクチュールのファーブランドをやってたときは、ある意味かんたんでした。

職人さん達は、匠の技を持ったオートクチュール職人さん。

なので、型紙と、裏地と、毛皮とちょっとした付属品さえ持っていけば、一つ一つ手で作ってくれるため、ロットも関係ないですし、「職人さんにお任せ」という気分で大丈夫でした。

だからこそ、ファッションなんて勉強したこともない私でも、なんだか素敵なコートができてしまっていました。

ところが!

機能性生地=化学繊維で、しかもスポーツアパレルで、しかもスキーウェア!!

そこにはたくさんの課題がありました。

・何100にもなるパーツ

(ポケットとか、内ポケットとか、生地も何重にもなってますよね?)

・付属品がいっぱい

(ご自分のスキーウェアのファスナーやスナップやいろんな金具の数、数えてみてください)

・化学繊維のロット。。。

(スキーウェアの生地は、基本的には最初から防水や撥水機能つけないといけない。→生産は1000mや2000mという単位)

オートクチュール(高級注文服)じゃなくて、プレタポルテ(既製品)になってしまうので、仕様書など依頼段階で色々なことが「ちゃんとして」いないといけない。(極端なことを言えば、パリのオートクチュールでは、へのへのもへじのようなデザイン画とかでもOKでした。


もう、目が回りそう。

 

しかも、藁にも縋る思いで、様々な縫製工場さんにご連絡するも、日本からスキーブームが去ってしまったときに、スキーウェア用の特殊な縫製の機械をなくして、スキーウェア縫製自体をやめてしまった縫製工場さんがほとんど。

日本国内には数えるほどしかなく、それも大手さんと独占契約していたりです。


なんだかいばらの道?に手を出してしまった感がなきにしもあらず。。。

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でも、でも、せっかく日本製の生地を使って作られているスキーウェアだというのに、日本にはスキーウェア「メーカー」さんがあれど、スキーウェア「ブランド」はありません。

そして、そのどこもが、欧米もアジアも含めた世界の嗜好とはかけ離れた、日本だけの好みのデザインで作っていたりします。

せっかくインバウンドでたくさんの外国人、特に体のサイズが似ているアジア人も多く来ているというのに、彼らが買いたくなるようなウェアがほとんどありません。

 

逆に、少しヒアリングしてわかった、日本人が求める「和」「日本」の要素をとりいれたウェアも、ありません。

スキー板は、2台も3台も買う人は少ないですし、「スキー板だけ買って、スキーウェアはレンタル」なんて方はほとんどいらっしゃらないでしょう。

どちらかというと、「スキーウェアだけは購入、スキー板はレンタル」という方がほとんどですよね。

さらには、スキーウェアは機能性やおしゃれで2着、3着と買う方はいらっしゃっても、その逆はなかなかいらっしゃいません。

せっかく世界の高級スキーウェアの8,9割は日本製の生地でできているのであれば、ぜひとも日本ブランドとして、スキーウェアを作りたいですし、さらにはそこに伝統工芸を融和させたいと思いました。

 

さらなるいばらの道は続く。。。。!!

 

クラウドファンディングサイト➡https://reinedeer.com/product/crowdfunding/

【京友禅スキーウェア物語】3 ~進化するクラウドファンディング~

3.クラファンのきっかけ(インターン学生、日本の伝統工芸を守りたい)

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上部が溜色、赤、緑、黒の漆。下部がオリジナルメタリックブラウン。

スキーストックreinedeer.myshopify.com


前回クラウドファンディングしていただいた、スキーストック。

スキー板よりもお手軽に、伝統工芸を手にしていただけると思って作り始めたアイテムでした。

 

ところが、人がやってないモノづくりってやっぱり本当に大変。

共同開発(OEM)してくださるはずのメーカーさんとのスピード感が違い足並みが揃わずに思わぬ苦戦を強いられたり、日本企業が重きを置く部分は実は世界的には120%クオリティの良さとなり、Made in Japanの素晴らしさではあるものの、グローバル視点で言えば、(失礼な言い方になるかもしれませんが)too muchになってしまう。長くヨーロッパでモノづくりをしてきた私には、理解不能・想定外のことが多すぎました。

逆に私たちが考える拘り部分と合わなかったり、完成度を求めるあまり生産性が良くない状況になってしまう。などと色々あり、当初の予定よりずいぶんと遅れてしまっていました。

 

日本に「ブランド」がなく「メーカー」しかないからこそ、日本でブランドを作りたい、確立したい、すべてメイドインジャパン、にこだわりたい、というところはどうしても譲れず。

 

結果として、私達の思いを汲んでくださる、別のスキーストックメーカーさんと巡り合え、まさに災い転じて福、となりました。が、当然ながら納期をありえない短期でお願いしなくてはならず、すごく無理をきいてもらってしまってとってもありがたかった半面、申し訳なかったです。


クラウドファンディングの御礼リターン商品も、スキーベルトやステッカーや色々制作しました。

 

それは、「私達だったら、こういうものがリターンとしてほしいよね!」というものも含んでいました。

 

ところが、メインであるスキーストックに時間をとられすぎて、こちらの制作もどんどん遅れてしまったのです。

 

ご支援いただいた方々には大変申し訳なかったですし、そういった経緯もあり、「応援してるよ!」と言ってくださって支援してくださったことはとっても嬉しいし、感謝してましたが、あまり2度目のクラウドファンディングをするつもりはありませんでした。


スキーウェア製作に問題山積なれど、現状では生産できないかもしれないけれども、それはそれ。というつもりだったのです。

 

ところが!ReineDeer初のインターン学生さん。

彼女がこの京友禅スキーウェアのサンプルのサンプル、という状態のものを目にして非常に評価してくれました。

 

「伝統工芸を現代の生活の中で使えるようにしているところが、すごいと思います!」

 

と言ってくれ、スキーウェア×伝統工芸の難しさを説明しても、それでも「作りましょう!」ということになり、それで、クラウドファンディングをやりましょう!ということになりました。

【京友禅スキーウェア物語】2 ~進化するクラウドファンディング~

人生初の前回のクラウドファンディングでは多くの方にご支援いただきありがとうございました。(『漆や金箔をスキーストックに!伝統工芸の技と日本の素材のスポーツアイテムで世界へ!』)

 

そこでよくいただいた声は、

「サイトがお支払いのときに固まっちゃった」

「自分はガラケーだからか、支援できなかった」という残念なものから、

「うっかり、締め切り忘れちゃった。なんとか支援できないか」

というありがたいお声まで、さまざまでした。

 

せっかくご支援いただくのに、システムのせいでうまくいかなかったり、というのはとても残念なことですし、少額でも直接職人さんのために役立ててほしいのに、というお気持ちをくださる方もいらっしゃいました。

 

そこで今回は、クラウドファンディングサイトを使わず、自社サイト内で実施することに挑戦してみました!

 

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新年初のいいことをしてみよう!➡ https://reinedeer.com/product/crowdfunding/

 

実際にスタートしてみると、やはり多くの人の目に触れやすいなど、クラウドファンディングサイトの利便性も感じる部分もございました。ただ、一部のIT商品のように大ヒットするというよりも、元々が地道な伝統工芸。日々試行錯誤する我々としては新たな発見や、活用できる可能性も発見することができました。

 

中でも新たにできるようになったのが、「毎日の更新!」

 

内容のアップデートが簡単で、修正・追加も自由自在なので、日々の進捗を含め常に改良し、最新の内容をみなさんにお伝えすることができます。


スキーウェアという季節物アイテムの特性上、クラウドファンディングが終わる前に、すでにある程度サンプルのテストや製作にとりかかってかなければなりません。

 

なので、例えば製作風景なども、随時追加することもできます。 

 

まさに、【時代に合った、進化するクラウドファンディング】です。

 

というわけで、一度ご支援くださった方も、ちょくちょくのぞいていただければと思います。毎回、なんらか新しい発見があったり、新しい画像や動画、さまざまアップデートがあるかもしれません。 

【京友禅スキーウェア物語】1 ~進化するクラウドファンディング~

f:id:reinedeer:20191230235217j:plain ReineDeer(レインディア)は、日本各地の伝統工芸をスポーツアイテムと融合させ、スポーツにアートを、生活にアートを取り入れ、豊かでサスティナブルな未来を描いていこうとしています。
 
伝統工芸にスポーツを融合させようというアイディアは、伝統工芸品の海外市場向けプロデュースを手がけていたとき、生活習慣や文化の違いからなかなか価値を認めてもらえず、

 

「もっと世界の人に伝統工芸品のすばらしさをわかってもらうには、どうしたらよいのだろう?」と悩んでいた時にひらめきました。

 

 

生活習慣や文化の違いのない、ユニバーサルなことって何でしょう?

 

それは、「スポーツ」!!!

 

スポーツは、世界中の人が同じルールで、同じ道具やユニフォームで行います。だからこそオリンピックやワールドカップという全世界の人が同じ場で競うことができるのです。そこには、民族や文化や生活習慣の違いは関係ありません。
 
では、スポーツと伝統工芸をかけあわせたらよいのでは!
となりました。
 


さて、どんなスポーツと?
 
サッカーやラグビーは、どちらかというと男性がメインです。
道具も一人一人にボールがあるわけではなく、あまりコラボさせるアイテムがなさそうです。
 
使う道具が多くて、私もよく知っているスポーツ。。

そして、欧米人の生活の中に取り込まれているスポーツ。。。
 


!!!スキー!!!!

 

 
スキーならば、ヘルメット、グローブ、ストック、ゴーグル、スキー板、スキーウェア、インナー、とアイテム豊富!しかも、フランスでは2月の子供の休みはスキーバカンスと言われるほど生活に溶け込んでいます。何よりも、シャネルやルイヴィトンといった一流ブランドも夏には水着を作り、冬にはスキーウェアを作っています。

 


そこで、「スキー」と「伝統工芸」を組み合わせることにしました。

 

 
まずは、東北大震災後から支援していた岩手県の漆の伝統工芸士さんたち。彼らは、漆の伝統工芸士ではありますが、スキー指導員でもありました。小学校からスキーの授業がありますから、スキーはとても身近な存在です。

そして、市や県の事業として漆の事業が行われていますが、スキー大会も市や県が開催しています。なので、スキー大会の日は、漆の研究所はお休みして、スキー大会のお手伝い。というぐらい、スキーと漆が結びついていました。
 
では、まずはスキー板から!
 
幸いにも、今はニセコに移転した札幌のスキー製作所が協力してくれることになりました。こちらもある意味匠の技で、一つ一つハンドメイドでスキー板を仕上げています。

そのため、漆や金箔の板といった、前代未聞の板を試作するには最適任でした。
 
そして、何度も何度も試行錯誤しながらできあがった試作品!

 
蒔絵や金箔の風神雷神のスキー板で滑っているときの高揚感は、なんともいえません。
風神雷神という神様が守ってくれている安心感。風神さまが、なんだか速く滑らせてくれるような気もします。
蒔絵という大変高価なものを「実際に使っている」という贅沢な気分。
伝統工芸品をただ「飾る」だけではなく、「実際に使って」ほしいという願いを込めたこの試みは大成功でした。
 


同時に、スキーウェアも伝統工芸と融合させたい、と企画していたものの・・・

高校生の頃からスキーウェアを作りたかったものの・・・

パリでオートクチュールブランドを10年やっていたものの・・・

ハードルが高すぎました・・・ 

 

 

京友禅クラウドファンディングhttps://reinedeer.com/product/crowdfunding/